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気ままな生活

映画、音楽、読書、美術、旅行、食などの生活。

リップヴァンウィンクルの花嫁

映画
ネタバレまみれの散文。



スワロウテイルの自由さ+リリイシュシュの退廃さ+花とアリスの華やかさ+Cocco綾野剛の尻=混沌
どこまでも自由でどこまでも切なく、愛らしく、哀しく、幸せで、しかしやはりどこまでもCoccoで、つまりいつもの岩井俊二の変な映画でした。

しかし岩井映画は相変わらず映像技術が素晴らしい。本筋は相変わらずオチなしイミなしヤマなしの「やおい」映画だけど、映像に惚れ惚れしているだけで180分持ってかれてしまう。

話は単なるお伽話だけど、「金」と「嘘」が主題になっており、人を幸せに導くものはなにか、を説いている。
リリイシュシュでは人を殺したインターネットが、人を繋げるテクノロジーに成り代わっている点も◎
顔を見合わせたからと言って分かり合えるとは限らない。真意とは別に、捉え次第ではどんなところでも幸せや人との繋がりは生まれるのだ。

岩井映画は変というかむしろふざけていて、前回の手塚パロディが息を潜めたら今度はガンダムネタばかりだ。それが本筋にがっつり絡むんだから本当にふざけている。
ふざけた会話のパンチラインも冴えわたっていて、
「あっちゃ〜」「つい、うっかり」「3Pがんばったね!」
が三強だ。旦那が浮気しといてあっちゃ〜ってなんやねん。

しかし本作は黒木華蒼井優で、CoccoCharaだ。岩井映画の過去の亡霊が寄り添って死んでいくようだが、あの頃の岩井俊二が観たいという懐古主義の願望には100%答えてくれる。去年の花とアリス殺人事件に続いて、岩井俊二完全カムバックだ!


‥と書いてみたけど、実はこの映画の要素の7割はCoccoにあると思う。彼女がスクリーンに映った瞬間に「なんかヤバいやつがキた」オーラが収まらない。後はひたすらCocco無双なので、彼女が好きでなければこの映画を気にいるのは厳しそう。
あっちゃんの役柄は想像の範疇を出ないし、常に全力な彼女の演技はふざけている世界からは浮き気味なので‥
でも舞台のジルゼを観てないので、数年ぶりに元気に走り回る満面の笑みのCoccoを観れただけでも良かった。