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気ままな生活

映画、音楽、読書、美術、旅行、食などの生活。

サウルの息子

今年のアカデミー外国語映画賞受賞でそれも納得の、ヘビーでドープな作品。

ホロコーストを背景に、観客は収容所の中の地獄のような有様を長回しで延々と見せ続けられることとなる。それは鑑賞ではなく、体験。
日本人が好きなナチスものの英語はちょくちょく公開されるが、ここまで差し迫った作品ははじめてだ。

極限状態で生きる人間の絶望から来る浅ましさ、必死さ、純真さを、その体験でもって肌で感じ取ることとなる。人間が生きていくには何よりも救いが必要であること、それが偶像であっても‥ラストは町山智浩氏の解釈で正しいと思う。

何よりインパクトが強いため、鑑賞後の絶望と疲労感は何より強いが、時間が経つと思ったより余韻は消えるかも。だが一度はこの悲惨な物語に向き合って、あの「笑顔」の先にこうして僕らの世代がいることを確かめておきたい。