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気ままな生活

映画、音楽、読書、美術、旅行、食などの生活。

ボーダーライン

日本公開の4作連続で当たりを叩き出すという、神にも等しいドゥニ・ヴィルヌーブ監督の最新作。
どこから観ても異色作だった複製された男は置いておいて、灼熱の魂とプリズナーズで描いた「家族」と「報復」という2大テーマにさらに焦点を当て、掘り下げた作品になりました。

メインビジュアルを観るといかにもエミリー・ブラントが無双しそうな、あーゼロ・ダーク・サーティね、かと思いますがベクトルは違って。
ゼロ〜は女戦士に目覚めていくジェシカ・チャスティンの哀愁を感じさせましたが、こちらはどこか割り切れなく、前線に立ちながら最後まで決定的な引金を引けないエミリーの話です。

ドゥニ監督といえば拷問!拷問!拷問!!!は勿論あり、更に人体破損と凄まじい音響を手にしていて正に無敵の映画。
人体破損は序盤からごく自然に手首足首生首がコロコロしているレベル。

音響に関しては低音のループがもたらす不穏さが恐すぎ。爆音上映とかされたらマジで漏らすわ。映画への音響の効果的な作用としては、マッドマックスFR超えてると思う。

そして、ドゥニ監督の画面に対するあの圧倒的な説得力というか、構図の強さも健在。複製された男なんかそれ一本で乗り切ってるからな。
どのシーンも多彩な構図で見せられていて飽きない、今正に映画を観ているのだ、と一番感じさせてくれるのはやはり絵の強さだと思います。

ただ肝心要のシナリオとなると、家族を失った「報復」はどこまで善悪や正義の概念が通用するのか?というテーマはやはり前2作で既に扱っているし、画面のパワーの前には鑑賞後の余韻もやや霞んでしまうかも。

それでもやはりドゥニ監督、圧倒的な面白さです。微グロに抵抗なければ絶対的にオススメ。
次作のブレードランナー2も俄然楽しみになってきた!